広島リカレント学院 第7期 2026年4月-2027年3月
第8回 教養講座「半導体の進化がもたらす、私たちの未来と社会の変化」
日時:2026年6月10日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:黒木 伸一郎 (広島大学半導体産業技術研究所 教授)
【要約】
現在最先端半導体トランジスタは数 nm。この超微細デバイス100億個の集合体を身に着け、なにげに使いこなしているのが、われら人類である。その働きをみつつ、現代社会と未来を俯瞰する。

第7回 教養講座「人間魚雷「回天」搭乗員「和田稔少尉」とロンドン、バービカン等について」
日時:2026年6月3日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:難波平人(二紀会理事・広島大学名誉教授)
【要約】
今回の講師は、二紀会理事で広島大学名誉教授の難波平人さん。一貫して国内外の集落・遺跡などの世界集落を描くことで独自の作品世界を作り上げてきた画家で、広島文化賞を始め数々の賞を受賞されています。山口県熊毛郡上関町の長島や祝島の風景のなかで生まれ育った難波さんは、学生時代から25年間、画家の原風景である海岸線の集落を題材に日本全国を訪ね歩き、その後35年あまりにわたって世界の集落・遺跡を求め100か国以上を取材してきました。
今回の講義のテーマは戦後復興。難波さんは4歳の時、対岸の山口県光市が爆撃により真っ赤に燃えているのを目の当たりにし衝撃を受けたと言います。B29の爆撃は終戦の前日8月14日でした。特攻人間魚雷「回天」の基地でもあったこの近くの海では、悲しい記録があります。訓練中の事故で行方不明になっていた「回天」の搭乗員、和田稔さんが船に閉じ込められたまま数日後に発見されたことです。23歳の若さでした。文庫本『わだつみの声消えることなく』は彼が残した手記にもとづいて書かれたものです。遺族の依頼で30年後、難波さんの御子息で彫刻家の難波章人さんが慰霊碑を建立されています。この時、難波さんは、脱出したかったであろう和田さんの思いを感じて、海が見えるように作品の真ん中に穴を開けたそうです。和田さんの思いが通じたのか。沈む夕日が、その彫刻の間から美しく輝いて見えます。
イギリス・ロンドンには広島の基町アパートと同じように、戦後復興の象徴として今もバービカンの住居が残っています。難波さんはこの地を訪ねてスケッチされたそうです。毎年のように、たたみ二畳ほどもある大きな作品を手掛けておられる難波さん。次回はこの話がきけるのではないかと思います。

第6回 教養講座「100歳まで生きる時代と長寿期リスク」
日時:2026年5月27日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:春日キスヨ (福祉学者)
職歴:京都精華大学人文学部教授・安田女子大学文学部教授・松山大学人文学部教授
【要約】
死亡者数が最も多い年齢は女性93歳,男性88歳。長寿期を在宅で暮らす高齢者も増大し、老親?子世代関係が大きく変化するなか、晩年期の生活支援・介護を子世代に期待できず、高齢者自身が「どこで」「誰と暮らし」「誰に支えて貰うか」を自己選択せざるをえない状況が深まっている。日本の高齢者はその力を持っているのか。介護保険制度等、社会制度は高齢者を守ってくれるのか。
講義では長寿化、家族変化、在宅化が同時進行する中で増大する「老い」が深まる「介護未満」の長寿期在宅高齢者の暮らしの実情を聞き取り調査をもとに話していきたい。

第5回 教養講座「ドローンがどんなことに役立っているのか?今後活用されそうな分野などを解説!」
日時:2026年5月20日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:児玉祐二(広島県ドローン協会東広島支部代表)・松崎 昇(ジャンボジェット整備士・ヘリコプター操縦士)
【要約】
今回の講師は広島県ドローン協会東広島支部代表の児玉祐二さんとジャンボジェット整備士でセスナやヘリコプター操縦士の松崎昇さん。最近よく耳にする無人航空機のドローンについてのお話でした。冒頭、手のひらサイズのドローンがお披露目され実際に教室でテスト飛行が行われました。この日お披露目されたのは、まるでおもちゃのようなサイズのドローンですが性能がすばらしい。コントローラーは使わず、顔認識して指一本で操作できるのです。まさにこの世界もAI化が進んでいるのです。もちろん、おもちゃではないので、免許がないと使用することはできません。カメラも搭載できるため、最近は有人飛行が難しい山中の映像や山火事などの災害、事故の撮影でも大活躍しています。微妙な温度差も感知するため、行方不明者の捜索にも活用されているそうです。又、100キロの重さの荷物も運ぶことができ業務用にも使用され、今後は宅配などでもドローンが活躍しそうです。生徒さんも興味津々で次々に質問が飛び交い、児玉さんは、一つひとつ丁寧に答えていました。世の中を変えてしまう程の画期的な発明ですが、ウクライナ戦争でも話題になるなど、使用方法を誤ると恐ろしい武器にもなるため航空法が大きく改正され、法整備も進んでいるという説明もありました。カメラの性能の向上と共に盗撮の問題もあり、たとえおもちゃのドローンでも使用を誤ると罰せられると注意を呼び掛けていました。

第4回 教養講座「放送現場を通じて感じたこと、学んだこと」
日時:2026年5月13日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:本名正憲(RCCラジオ「本名正憲のおはようラジオ」担当中、講演活動、元中国放送アナウンサー)
【要約】
毎朝6時30分から9時までRCCラジオで放送されている「本名正憲のおはようラジオ」本日の講師はそのパーソナリティー本名正憲さんです。現在は中国放送を退社されてフリーランスとして活躍されています。2000年からスタートした番組ですから、もう26年続いています。朝2時30分起床、5時には現場のスタジオに、まず全国紙など新聞8紙に目を通し、その日番組で使用する記事を一人でピックアップされるそうです。赤ペンで記を付けるため2週間でインクがなくなるといいます。昔は、全国放送に負けないようにトップニュースを中心に紹介していたそうですが、西日本で発生した豪雨災害時に給水情報を中心に放送したのが聴取者から感謝され、意識が変わったそうです。ローカル放送の役目アナウンサーとしての使命感を感じたそうです。4年前に退社された本名さん、局アナ時代は沢山の仕事の中の一部であった「おはようラジオ」が100%の仕事になり、今まで以上に生き生きした毎日を送っているといいます。
番組が終わった午後からは94歳になる母親の介護もされていて、そんなときに改めて『大切なのは、会話と笑う事』だと言われていました。忙しくて会えない時は電話だけでも母親はみるみる明るくなるそうです。
最後にモットーとされている『興味を持つ、好奇心を大切に…』ついて話されました。『なぜ、どうして…。少し深くつきつめて考える事。』常にそれを意識しながら相手の話を聴くことがコミュニケーション、楽しい会話に繋がると言います。ラジオ番組では顔が見えないゲストと話をすることが多い本名さん、『相手の事を好きになって会話をする』それがベースになっていると自信たっぷりに話されました。

第3回 教養講座「新生・サンフレッチェ始動&よもやま話」
日時:2026年4月22日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:仙田信吾(前サンフレッチェ広島代表取締役社長・現相談役)
【要約】
今回の講師はJリーグ「サンフレッチェ広島」相談役の仙田信吾さん。仙田さんは元民放テレビ局の出身で、Jリーグ発足の年に「週刊サンフレッチェ」という番組を立ち上げるなど、放送マンとして早くからサッカーに関わってきました。さらにこの春から、広島経済大学の特任教授を勤められ幅広い分野で活躍されています。冒頭、先日お亡くなりになられた初代総監督、今西和男さんの思い出話から始まりました。今西さんはコミュニケ―ションを大切にする人間教育で今の全日本監督の森安一さんを育てました。「よきサッカー選手になる前によき社会人と成れ」これが口癖だったそうです。
今回は広島の復興がメインテーマで、原爆投下直後の日銀広島支店の興味深いお話。太平洋戦争末期、米軍大空襲にも耐えるよう頑丈な建物に改装され地下金庫には、たくさんの水がめが配置され万が一に備えていました。それが完成したのが8月5日、まさに危機一髪でした。お陰で金庫内に保管されていたお金や重要書類は焼けることなく、戦後復興に大きく貢献しました。さらには、マツダを中心に広島の有力企業で組織された二葉会の存在や、原爆投下直後の焼け野原で、証書がなくても署名と捺印のみで契約者に請求された通りの保険金を支払った当時の菊島支社長。にしき堂の初代大谷社長やタカキベーカリの初代高木社長の私利私欲に囚われない企業努力など、広島の戦後復興の興味深いお話に、生徒さんは胸を打たれていました。
最後に、サッカーの哲学…レジリエンス(復元力)・クライシス(ギリシャ語で危機からの蘇生)・メタモルフォーゼ(変身)・クオンタムリーブ(量子的飛躍)が説明され、講義が締めくくられました。

第2回 教養講座「新井監督4年目のカープとよもやま話」
日時:2026年4月15日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:渡辺弘基(セミナー講師・広島カープOB)
【要約】
今回の講師はカープOBの渡辺弘基さん。現在もカープOB会の幹事長 兼 事務局長として、カープ球団と関りを持っておられます。1972年ドラフト1位で阪急ブレーブスに入団、1975年カープに移籍して中継ぎ投手として大活躍、カープ初優勝に貢献した元エリート投手でもあります。現在79歳になられた渡辺さんは過去を振り返り、頑張って、ずっと野球を続けたからプロ野球選手になれたといいます、まさに継続は力なりです。トレードで阪急から広島に、閑古鳥が鳴くパリーグからセリーグに移って、満員の広島市民球場でプレーした時は、とても嬉しかったそうです。昨年秋に行われたカープOB戦のレジェンドゲームで、久しぶりにカープ初優勝の立役者ホプキンス選手と再会。現役時代、試合のない日はいつも医学書を読んで勉強していた彼は、野球をやめたら医者になると言っていたそうですが、それを実現したそうです。そんな彼に50年前の帰国時、日本の思い出にと渡辺さんがプレゼントした家族の七五三の写真を今も大切に保管し続けていてくれて、それを持ってきてくれたそうです。これには、本当に感動したと話されていました。
前夜のゲームで大敗して、この時4連敗中だったカープ、浮上するためのポイントとして4人の選手の名前を挙げてくれました。栗林、森浦、佐々木、平川。この4人のうち3人が活躍すれば一気にムードは変わるとのこと。現在はこの中で活躍しているのは栗林ひとり、残りの3人に何としても頑張ってもらいたいものです。毎朝、5時半に起きて血圧、体重をチェック。30分速足でウオーキングは欠かさないという渡辺さん。ちょっとした喜び、美味しいものを食べる、綺麗な花を見て感動するという事を心掛けて、健康な日々を送っておられます。

第1回 教養講座「人生百年の歌」
日時:2026年4月8日(水) 10:00〜11:30
会場:広島大学千田キャンパス東棟501
講師:佐藤利行(福山市立大学理事長・学長)
【要約】
第7期教養講座も最初の授業は、昨年に引き続き、福山市立大学学長で漢文学者の佐藤利行先生から始まりました。今期は32名の新入生が加わり総勢123名の受講生でのスタートとなりました。佐藤先生曰く、「本学院の牟田学院長との約束で、最初の授業は私が勤めなければならない」のだそうです。
今回のテーマも『人生百年の歌』です。冒頭、竹内まりあの『人生の扉』I say it’s fun to be 20 20代は楽しいことがいっぱい But I’ll maybe live over 90 でも90を越えても楽しく生きていくつもり… という歌が紹介されました。もちろんその後は、佐藤先生得意の『礼記』『論語』の解説と続き、孔子の『吾 十有五にして学に志す 15歳で学問を志した』など古典の授業へとすすみます。江戸時代、多く日本人学者が輩出されて論語が論評されましたが、鴨長明の方丈記に記されている『行く川の流れは絶えずして、しかも本の水にあらず。』に代表される日本の儒教教育が、現代中国で今、高く評価されているそうです。江戸時代の学者のレベルは高かったのですね。
最後は、中国・東晋の時代に学者として活躍した、王義之が紹介され『限られた人生の中で、今、その時その時を大切にして充実して生きる【目前を楽しむ】ことこそが重要なのである。』が説明され、授業が締めくくられました。鴨長明の『方丈記』にも【目前を楽しむ】は通ずる所がありそうです。

広島リカレント学院 第7期・入学式
2026年4月8日(水)9:45〜 於 広島大学千田キャンパス・A棟501
広島リカレント学院の第7期入学式が行われました。牟田泰三学院長(元広島大学長)のビデオメッセージ、渡部和彦副学院長(広島大学名誉教授)の式辞に続き、佐藤利行先生(福山市立大学理事長・学長)からお祝辞をいただきました。続いて、同好会、スタッフの紹介があり、第7期がスタートしました。




