広島リカレント学院(第三期) 16回目 2022年9月21日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授(中国地域エネルギー環境教育研究会 会長)田中春彦先生による「エネルギー環境問題と私たちの暮らし−持続可能な社会を目指して−」でした。
前回は、地球環境問題の現状、大気の汚染とその防止、水質汚染と廃水処理の実際、エネルギー資源利用の現状と問題点などについての講義でした。
今回は、1.地球環境問題の現状、2.大気・水質の汚染とその防止、3.地球温暖化の原因と現状、4.エネルギー資源利用の現状と問題点、5.我が国のエネルギー基本政策、6.カーボンニュートラルと水素社会の重要性、7.現下のエネルギー環境問題の解決に向けて、どのような心構えや対策が必要か?について、話していただきました。そして次のようにまとめられました。
1.人間の健康的な生活と生命の維持のためには、現下の環境汚染や地球温曖化などの諸問題の解決が重要な鍵を握っている:これらの地球環境問題の大部分は、物質資源・エネルギー資源の過度な利用に起因している。その結果、地球の生態系を持続的に維持することが困難な状況となっている。特に途上国では、大気、土壌、水の環境汚染により様々な健康被客をはじめ寿命短縮や死亡のリスクが依然として大きい。地球温暖化による被害も途上国では既に深刻な状況となっている。
2.エネルギー環境問題の解決に向けた取り組みの重要性:
(1)多様なエネルギー源の確保(エネルギーミックス):火力や原子力発電などのエネルギー源にはそれぞれ長所・短所があることを認識すること。
(2)原子力発電の利用に関する今後の取り組み(判断):原子力発電の問題はエネルギー問題の枠組みの中で、エネルギー源選択という視点から議論することが重要。エネルギー安全保障の観点から国民的議論が必要!
(3)大幅な脱炭素化を実現するためには、非電力源の電化と電力源の低炭素化を推進する必要。
(4)教育や意識改革の重要性:@省資源・省エネルギー(3R・3S推進)についての教育の一層の推進。“もったいない”、“足るを知る”の実践、A生活におけるライフスタイルの見直しや意識改革・価値観の変革を促すこと、B持続可能な発展のゴール(SDGs )に向けた教育(学校・生涯教育におけるESD)の推進

田中先生の講義を通して、エネルギー環境問題が私たちの暮らしと密接に関わっていることをあらため認識しました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
田中春彦 田中春彦

 

広島リカレント学院(第三期)15回目 2022年9月14日(水)

教養講座は、日本遺産センターコンシェルジュ、清水徳秀先生による「百景図で旅する津和野町」でした。津和野百景図は、最後の藩主亀井茲監の業績をまとめた「以曽志乃屋文庫」とともに亀井家に納められた文書の一つで、藩主の側に仕えた栗本里治が藩内をめぐり、名所や風俗、食文化などをスケッチして約4年の歳月をかけて百枚の絵を描き、詳細な解説を加えてまとめたものです。作者の栗本里治は、弘化2(1845)年に生まれ、津和野藩政時代は殿様の側のお仕え役で茶室の管理などもする「御数寄屋番」という役職についていました。「津和野百景図」は、その時の記憶や外出時に描いたスケッチがモチーフとなったといわれています。若い頃に狩野派の絵を学び、百景図以外にも「津和野城下町全景図」など多くの絵を残しています。講義では、百景図、作者の栗本里治(号 格齋) 、百景図よもやま話、百景図で知る津和野の歴史などのお話でした。津和野の魅力をより深く知ることができました。※文及び図:津和野日本遺産センターホームページ 日本遺産 津和野今昔〜百景図を歩く〜より
午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
津和野 津和野

 

津和野 津和野

 

臨時休講(8月31日・9月7日)のお知らせ

事務局に、新型コロナ陽性者がでました。広島大学との話し合いの上、8月31日(水)、9月7日(水)を臨時休講にすることになりました。なお、再開は9月14日(水)になります。
振替日は、教養講座及び専門講座の先生方と協議し、来年3月以降で調整の予定です。
学院生の皆様には、大変ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

広島リカレント学院 事務局

 

広島リカレント学院(第三期)14回目 2022年8月23日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授、沖村雄二先生による「日本の庭園文化−全国の庭石・名石」でした。沖村先生のご専門は、地質学・古生物学で、公益財団法人仙石庭園代表理事であるとともに、東広島市高屋町の「仙石庭園銘石ミユージアム」の館長・学芸員として、庭園文化の普及、庭園管理に携わっておられます。講義のポイントについて、次のように述べられています。「日本の庭園文化は、仏教の伝来によってかなり影響を受けましたが、世界に誇る多種多様な庭石を産する地質構成であることから、有史前から独自の発達を遂げております。左右対称の「縮景式自然庭園」様式は、世界中の万博公園で保存されていることが、それを証明しております。」
午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
沖村先生 沖村先生

 

 

広島リカレント学院(第三期)13回目 2022年8月3日(水)

教養講座は、蔵本順子先生による「映画、観てますか」でした。
蔵本先生は、映画を観て、生き方を学んだと思います。特に、「風と共に去りぬ」のタラの地主の娘スカーレット・オハラが戦争で荒れ果てた農場に立ち、「神様に誓って、二度と飢えません」と天に向かって激しく言い放つ場面とか、任侠映画の高倉健さんのセリフ等から感動と学び、また、うっとりされたそうです。先生は、1981年、お父様の後を継ぎ映画館サロンシネマの代表取締役社長に就任され、映画の灯を消さないように奔走、2010年に福屋八丁堀店に八丁座を開館、2014年にサロンシネマをオープンされ、現在、(株)序破急の代表取締役社長として映画文化を守り、育てるため、活躍されています。映画文化に対する功績により、2016年11月に、藍綬褒章、中国文化賞を受賞されました。―やりたいことが描けたら、妥協せずに求めていく。映画館を作る時も、大好きな映画を、どうすればお客様に楽しんでいただけるかを一番に考えましたと、とおっしゃっています。
午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
蔵本先生 蔵本先生

 

広島リカレント学院(第三期)12回目 2022年7月27日(水)

教養講座は、谷本能文先生(広島大学名誉教授)による「ひかりと私たち」でした。先生から届いた要旨です。

 

私たちは、太陽の光により生まれ、太陽の光により生かされている地球上の生物のひとつである。このようにひかりは私たちととても密接に関係している。本講義では、私たちと光のかかわりについて概説する。
ひかりは、一般的には電磁波とよばれる。電磁波は進行方向に垂直な方向に、電波と磁場の周期的変化を伴う横波で、真空中を1秒間に30万kmの速度(光速、c = 30万km/s)で進んでいく波であり、光が1回振動する間に進む距離(波長(λ))と1秒間に波が振動する回数(振動数(ν))との間には c =λν の関係がある。同時に、電磁波は粒子としての性質をも併せもっており、1個の光の粒子(光子)の持つエネルギー(E)は、振動数とE = hνの関係がある(h:プランク定数、6.6 x 10-34 Js)。光の種類は 波長の短い方から長い方に向かって順に、紫外線(おおよそ200−350 nm)(1 nm = 10-9 m)、可視光線(400 nm−700 nm)、赤外線(1,000 nm−10,000 nm)、マイクロ波(107 nm−109 nm)、ラジオ波(109 nm−1011 nm)と呼ばれている。太陽からは、おおよそ紫外線からマイクロ波の領域のひかりが地上にやってきている。
人に対する紫外線の影響は、日焼け止めクリームなどに、SPFとPAで表わされている。SPF (Sun Protection Factor)は UVB(280-315 nm) の防止効果を表す指標で、たとえは、SPF50は、紫外線を浴びたときにできる皮膚の赤い斑点ができるまでの時間を50倍伸ばすことができるという意味である。一方、PA (Protection Grade of UVA)は、UVA(315-400 nm)の防御指数で、皮膚の黒化が起こる原因を防御する効果が、PA+ → UVA防止効果あり、PA++ → UVA防止効果がかなりある、PA+++ → UVA防止効果が非常にあるとなっている。可視光線は、私たちの眼が感じ取ることのできる波長のひかりで、ものの認識に使われている。赤外線は電気こたつの熱源として身近に使われているが、電源を入れるとすぐに炬燵が温まるのは赤外線のせいである。最近では、赤外線は高速光通信の手段として、大容量のデジタル信号を送るのに使われている。マイクロ波は、ラジオのFM放送・テレビの放送などにつかわれてきたが、最近はスマホなどの通信手段として使われている。また、私たちが日々お世話になっている電子レンジは、2450 MHzのマイクロ波を使っており、スマホに使われている電磁波の波長と近い。ラジオ波はラジオの放送などに使われている。
このように私たちの生活とひかりの間には切るに切れない仲があり、ひかりなしで私たちは生きていくことができない。

 

午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)

 

谷本先生 谷本先生

 

 

広島リカレント学院(第三期)11回目 2022年7月20日(水)

教養講座は、保坂幸男先生(広島大学元客員教授・現非常勤講師による「お米の話(精米・選別・味・健康)」でした。先生から届いた要旨です。

 

お米一粒は小さいものですが、小宇宙のようにいろいろな研究テーマが詰まったとても大きなものでもあります。精米は玄米から糠の層を除去するだけのものが、しかし多くの人の知恵が投入されて今日の精米機になっております。お米には被害を受けた粒とかガラス等のお米以外のものが混入しております。今は光を使うロボットといってもよい機械で選別されています。
お米にはいろいろな味のものがあります。昔はご飯にして食べてみて味の評価をしておりました。今は近赤外線という目に見えない光線を使ってお米がその光をどれくらい吸収するかでご飯にしなくてもお米の味がわかるようになりました。
お米は健康にも関係します。ものを食べると血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度が上がります。お米の状態によって血糖値の上がりやすさが変わってきます。

 

午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
保坂先生 保坂先生

 

広島リカレント学院(第三期)10回目 2022年7月13日(水)

教養講座は、広島大学マスターズ・大阪大学名誉教授 室岡義勝先生による「あなたも食べています遺伝子組換え食品」でした。先生から届いた要旨です。

 

◆絶対に安全な食品はありません
有機・無農薬栽培作物は、全て安全でしょうか?いえいえ作物の中には、毒性のあるものもあります。カビ毒、発がん性物質や重金属を含んでいるものもあります。発がん性物質を含んでいるワラビやゼンマイなどは灰汁抜きをして、対処してきました。
◆日本で流通している遺伝子組換え食品
トウモロコシ、大豆、菜種、パパイア、ジャガイモ、綿、アルファルファなど8作物、33加工食品、15添加物食品目の遺伝子組換え食品が農林水産省と厚生労働省により認可されています。
◆遺伝子組換え作物の作り方
病害虫に強い、除草剤に耐性、ビタミンや必須アミノ酸・脂質含有量を増加させる、乾燥や冷害に強いなどの遺伝子を細胞内のDNAに組み込んで、遺伝子組換え作物を育種します。
◆組換え遺伝子や組換えタンパク質は食べられるか?
卵など遺伝子を貴方は毎日食べています。遺伝子DNAを食べると胃や腸内ですぐに分解されます。組換えタンパク質でも胃や腸で消化されてアミノ酸になります。
◆安全性評価試験は充分か?
アレルギーが起きないか、毒性は無いか、体内に蓄積して悪影響を起こさないか、栄養成分に予想外の変化は無いかなどの試験が厳密に行われ、安全評価された組換え作物のみ認可されています。一方で、自然食品の安全性試験はなされていません。 
◆遺伝子組換え植物の環境への影響は?
一般に育種作物は、保護しないと雑草に負けてしまします。在来種が組換え体に負けることは今のところ知られていません。組換え作物の花粉が飛んで在来種に混じったという報告はあります。生物多様性への疑念は、監視しなければなりません。
◆世界の食糧危機を遺伝子組換え作物が救う
乾燥や冷害・塩害に強い、病害虫に強い、生産性が向上した組換え作物は、将来の食糧危機に対処するでしょう。
◆ゲノム編集技術による農業革命
最近のゲノム編集技術により、より早く簡単に育種ができるようになりました。親株の遺伝子を壊して育種する場合は従来育種法と変わりませんが、この技術により外来遺伝子を組み込む場合は、遺伝子組換え審査の対象になります。

大阪大学名誉教授・広島大学マスターズ

室岡義勝

murooka@bio.eng.osaka-u.ac.jp

 

午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
室岡先生 室岡先生

 

 

広島リカレント学院(第三期)9回目 2022年7月6日(水)

教養講座は、広島大学法科大学院 リーガル・サービス・センターの山田 幸先生による「身近な法律あれこれ」でした。法律について、基本の考え方、成立の背景、国による違いなどを教えていただきました。その上で弁護士のこと、親族関係の窃盗に関する親族相盗例、相続、遺言書など話していただきました。お話の最後を「一水四見」という言葉で締めくくられました。一つの水を見てもその見え方は人それぞれで、法律にはそのような面があるということでした。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。
牟田学院長が来校されました。久々にリハビリを経た元気なお姿を拝見し、みなさん大変喜んでおられました。(事務局)
山田幸先生 山田幸先生 牟田先生

 

広島リカレント学院(第三期)8回目 2022年6月29日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授、青木孝夫先生による「21世紀に届ける日本的美意識」でした。先生の専攻分野は、美学芸術学で、東方美学会や日韓美学研究会の設立・運営に従事、美学会委員、広島芸術学会会長等、国際美学会で東アジアの重要性を唱導し活動されてきました。先生は、「文化変容の観点からする日本の美意識と芸術の諸相」、「文明の力学と比較文化」、「花の美学A」という三つの視点から、次のように話されました。
◆この授業では、政治や道徳が西欧化していく中で、美意識や芸術はどう変化したのか、あるいはしなかったのか等々の発想で、近代日本に於ける美意識を考察します。本日は花が主題です。
◆広島県出身の画家、児玉希望には<夜梅>という絵画があります。わざわざ夜という時間の梅を描くことから、日本人の美意識の一端がわかります。つまり、明るいところで花をまじまじと注視する対象として捉えるのではなく、梅の香気を早春の夜の雰囲気と共に享受し愛でているのです。ゴッホの<ひまわり>を比べてみましょうか。そのあたりから本日の授業は始まります。
◆芸術に関し、近代以前の代表的な考え方は、谷崎潤一郎の言葉が示すように、自己を押し出すよりも我が儘また恣意を抑えて、先生の型やお手本に従うやり方です。習字の朱筆です。永の字を書くと、先生が朱筆を入れて訂正します。(永字八法)ここでは、個性や独創性などは問題ではなく、まずは、お手本に従って、基本的な書の技術を体得することが肝心です。
一方、西欧由来の近代的な芸術の考え方では、自由・個性・独創性・独自性・創造などの概念が重んじられていました。こうした一連の概念や考え方は、当初、大学等の知識人や研究者や洋行経験者を介して日本に入ってきたものです。例えば、山本鼎の説いた「自由画教育」です。個性と自由を前提に独創性や創造性を重んじ、創作に行き詰まり自殺するに至ったのは芥川龍之介です。太陽が緑に見えるならば、緑色の太陽を描くことも大切な個性だと主張したのは高村光太郎でした。彼らは、いずれも西欧的芸術観を尊重したのです。しかし、個性や自由という言葉は何も芸術や美学の分野だけでなく、社会の中でも語られました。例えば、自由恋愛です。
そうした風潮に異を唱え、自国の伝統や土壌に立脚することを主張した知識人や芸術家もいます。今回の授業では触れられませんが永井荷風がそうです。また日本近代を代表する小説家でもあれば知識人でもある夏目漱石です。彼は『現代日本の開化』他で、その浅薄な近代化のありようを批判したのです。それらは、またいずれの時にお話できれば、と思います。

午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
青木先生 青木先生

 

広島リカレント学院(第三期)7回目 2022年6月22日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授、二紀会理事の難波平人先生による「平和と美術」でした。画家であり研究者である先生は、「平和と美術」について次のように語られました。

 

平和とは単に戦争や核兵器のない状態だけでなく、あらゆる人々の人権が認められ、貧困、飢餓、暴力からの解放、公平さ、正義が社会に浸透した状態のこと。平和とは言い換えれば幸せな「日常」のこと、「平和を守れ」と言うよりも「この日常を守れ」、「生きていて良かったと思うこと」と言う方が意味がはっきりする。ドイツの哲学者、イマヌエル・カントは、1975年、75歳の時に刊行の「永遠平和のために」で、「人間の自然状態は戦争状態である。平和は人間が自ら創設してゆかねばならない」と語った。これは、国家を超えた法的保証を作ることであり、例えば国連である。
私は、平和の創設には、@事実を伝え続けること(アートで訴え)、A世界との連帯、暴力のない世界(教育の貧困対策)、B核兵器の脅威(市民の行動、ドイツ、スイス原発撤廃)、C身近なことから平和への行動、D戦争の記憶と記録の発信(ポーランドのアウシュビッツ、ユダヤ人大虐殺殉難者モニュメント、碑、芸術作品)、現代社会の在りようをすくいあげるために、戦争のあらゆる痛みを共有しなければ平和はこないと思っている。
芸術作品とは、私もそう思うという人類が共有できるものを気付かせてくれる。芸術の創作の原点は、生命、愛、そして平和への希求である。生きることの素晴らしさ、他者への思いやり、告発、困難をのりこえる力など、感動し、なぐさめられ、生きる勇気を与えられる。
美術作品の特質は、文字、言語が無くても視覚で訴え国境や時代を一晩にして越える力がある(80%の視覚に頼っている)、後世に訴える媒体として残すことができる、聴覚よりも視覚の方が記憶に残る。
戦争の記憶をどのように伝えるかの事例として、@戦争の記録を発信(広島平和記念資料館、被爆者や画家の作品、ポーランドのアウシュビッツ、イスラエル エルサレムのユダヤ人大虐殺殉難者・英雄記念局美術館など)、A不条理な暴力を告発する画家の作品。ピカソの「ゲルニカ」。1937年、スペイン北部の町ゲルニカがフランコ軍を支援するナチスの無差別爆撃を受けた「ゲルニカ」を描いた絵は、命の大切さ、尊さ、家族愛、人間が普遍的に持っている美しさに気づかされる。

 

午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
難波先生 難波先生

 

広島リカレント学院(第三期)6回目 2022年6月15日(水)

教養講座は、広島大学前教授 小方 厚先生による「音楽と物理学」でした。先生のご専門は、ビーム物理学、プラズマ物理学で、折に触れてジャズ演奏をされるとのことです。本講座では、2020年10月に、「ジャズの楽しみ」という講義をしていただきました。今回は、「雑音と楽音の違いから始め,ドレミ…という音階の構造,協和音と不協和音,管楽器・弦楽器と鍵盤楽器の違い,平均律とは何か,計算機音楽などについて(先生)」、話していただきました。講義内容を、理解しやすく、かつ楽しくするために素晴らしい画像と音の教材を制作していただきましたが、会場の音響機器の関係で、「正弦波音として時報を鳴らしたのに,『プ・プ・プ・プーン 440Hz 440Hz 440Hz 880Hz』の最後の『プーン 880Hz』が途中『プー』あたりで切れてしまう。うなり beat はだめ.中央 C 261Hz にその上の D, E, F,... などを重ねても,重音として聞こえず,高い方の音 すなわち D, E, F,... などの単音としか聞こえない。講義を中断し,iPad の電源を切ってまた入れてみた.さらに iPad を iPhone に替えてみたが同じこと...用心のために Keynote ファイルを両方に入れていったのだ。音楽は正常に聞こえるが,正弦波音はダメという印象……。(先生)」になり、先生と学生さんにご迷惑をおかけしました。事務局として、より魅力ある学院にするためのサポートの大切さを再認識しました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
小方先生 小方先生

 

広島リカレント学院(第三期)5回目 2022年6月8日(水)

教養講座は、カープ女子会リーダーの住本明日香さんによる「カープよもやま話」でした。住本さんは、RCCラジオ「秘密の音園」のコーナーや「アスカランド」「カープ女子 恋する応援団♪」のパーソナリティー、ラジオカー中継リポーター等、マルチタレントとして多方面で活躍されています。広島カープの魅力や観戦の楽しみ、カープに関する裏話など、楽しく話していただきました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
住本明日香先生 住本明日香先生

 

広島リカレント学院(第三期)4回目 2022年6月1日(水)

教養講座は、広島大名誉教授 岡本明先生による 「西欧と日本の近代化」 という講義でした。先生は、フランス近代史(絶対王政、革命史、ナポレオン時代)がご専門で、現在、広島マスターズ平和学講座「戦争と平和」、広島市財団法人の国際交流フランス語通訳として活躍されています。

 

先生から届いた講義要旨です。

 

日本の古代・中世がヨーロッパ・フランク王国(フランス王国)と類似するとの指摘は、既にあったが、近世から近代への転換については、日本は鎖国の影響と天皇制の軛(くびき)で決定的なハンディを背おい、太平洋戦争の悲劇もスタートボタンの掛け違いのためとする固定観念が長く、学界を覆っていた。けれども、ここ30年の著しい成果から、江戸幕藩体制には、近代日本を生み出す文化的・教育的素地ができており、社会的流動性も活発化していた。特に、鎖国でも、世界情勢の探知力は養われ、幕臣層が昌平黌など学問所を通して台頭した奉行・目付層が1850年以後、開国を迫る列強との交渉能力を示し、藩校・私塾も下級武士層の知見強化に貢献した(福山誠之館・藩主阿部正弘改称、頼山陽・修道館、吉田松陰・松下村塾)ことが明らかになっている。
今回は西欧諸国と日本を突合せ、先発国イギリスの早熟性=地主主体の議会君主制、中発国フランスの革命の普遍理念1789年人権宣言の背後の深刻な党派対立→ナポレオン体制への変貌(1848年2月革命でも再現)、後発国ドイツの抱えた、ナポレオン衛星諸国とプロイセン王国の並立、イタリアのナポレオン姉妹国の変化を踏まえつつ、明治維新に焦点を絞って、これらとの異同を考えてみたい。

 

2022年6月1日

岡本 明

 

日本の近世から近代への歩みに関する最近の研究成果、及びわが国の近世・近代の歴史の新しい視点について話していただきました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
岡本明先生 岡本明先生

 

広島リカレント学院(第三期)3回目 2022年5月25日(水)

教養講座は、広島大名誉教授 安藤忠男先生による 「SDGsが拓く人類の未来」 という講義でした。先生は、環境科学がご専門で、「SDGsの成立ちや実践の方法についてお話しします。SDGsが人類の直面している課題の解決に役立ち、私たちの子孫に明るい未来を残せることを願っています。」とおっしゃっています。

 

先生から届いた講義要旨です。

 

人類が直面している課題について考える「学生たちが考える人類の課題」、「2030年は人類存亡の分岐点とは?」に続く「人類の課題シリーズ」の第3回目でした。人類が抱える様々な課題を一挙に解決する方策として国連は、持続可能な開発目標17と今後15年間に達成したい169のターゲットを、2015年秋の国連総会に提案し、全会一致で採択されました。このSDGs成立の背景や意義について整理しました。
国連は、それまでのMDGs(ミレニアム開発目標)の成果と残された問題点を3千人の専門家が3年間かけて討議したそうで、人類の発展方向を明示した人類の中期ビジョンを示し、各国家や自治体ばかりでなく、地球上の全ての事業者や個人にSDGs達成への協力を呼びかけました。その結果多くの自治体、事業者、個人が自発的に2030年全SDGsの達成に向けて取り組んでいます。講義では、私たち一般市民はどのように協力したらよいかを考えるためにわが家の取組みを紹介しました。より多くの人々が17の目標の全てについて、日々の生活の中で取り組まれることを願っています。
2030年まであと7年間。全ての目標を達成することは容易ではありませんが、人類が一致団結して目標の実現に努力すれば、人類の未来に明るい展望が開けてくるものと確信しています。今までの3回の講義は総論的でしたので、もし機会があれば次回から各論編として、各目標について受講生の皆様と共に具体的に論じあっていきたいと思います。

 

2022年5月25日

安藤忠男

 

SDGsは、国として取り組まなければならない課題であると同時に、私たち一人ひとりの問題でもあることをあらため考える機会になりました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
安藤忠男先生 安藤忠男先生

 

広島リカレント学院(第三期)2回目 2022年5月18日(水)

教養講座は、広島大名誉教授 井上研二先生による 「ロシアによるウクライナ軍事侵攻」 という講義でした。先生は、ロシア語学、現代ロシア論が専門で、現在、世界に大きな混乱をもたらしているロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関する歴史的背景、両国の関係性、今後のなどについて、話していただきました。

 

先生から届いた講義要旨です。

 

ロシアによるウクライナ軍事侵攻は今年の2月24日に始まったが、両国間の対立はソ連が解体し、それぞれ主権国家として独立した時にすでに生まれていた。@クリミア半島のセバストーポリを基地としていたソ連黒海艦隊の所属問題Aクリミア半島それ自体の帰属の問題B核管理の問題等での対立である。また両国は同じ東スラブ民族でありながら、それぞれ兄と弟、あるいは支配者と被支配者の関係でもあった。しかしウクライナ人の方がロシア人より民族主義的意識が強い傾向が見られる。またウクライナは石油や天然ガスの産出が少なく、資源大国ロシアに依存してきたことからやむなく「付かず離れず」の関係を守り続けてきた。しかしウクライナに「オレンジ革命」を経て2005年に親欧米派のユーシェンコ政権が誕生し、EUおよびNATOへの加盟を志向するようになると、ロシア側からの締め付けや嫌がらせが繰り返されてきた。ゼレンスキー現政権はさらに親欧米的傾向が強いようにロシアのプーチン大統領には映ったようで、「ナチス・ドイツと同一視する」と発言している。
今回のウクライナ軍事侵攻の大義は、ウクライナ東部ドンバス地方に住む親露派のロシア系住民がウクライナ政権から虐待を受けているので、彼らを救済するためだとプーチン大統領が主張しており、当初ゼレンスキー政権を倒して親露派政権を樹立するため、首都キーウを攻撃、陥落させようとしたが、ウクライナ軍の抵抗と反撃が予想外に強く、この作戦を諦め、軍を東部へ転進させた。その際ロシア軍はキーウ近郊でジェノサイドとも呼ぶべき戦争犯罪が行われたとのことだ。
2014年のクリミア併合時のウクライナ軍は弱体化しており、ほとんどロシア軍特殊部隊にほとんど抵抗できなかったが、その後60億ドルに上る軍事援助をアメリカから得て、対戦車ミサイルはじめ先端兵器など装備を充実させるなど、見違えるような軍事力に様変わりしていた。ロシア軍が苦戦しているのはそこにある。ロシアはヘルソン州とマリウポリを併合することでクリミアと陸続きで南東部全域を掌握しているが、東部ではウクライナ軍の激しい抵抗で大苦戦している。こうした戦争は一刻も早く終わらせるべきだが、先の見通しが立たない。

2022年5月18日

井上研二

 

井上研二先生 井上研二先生

 

 

広島リカレント学院(第三期)1回目 2022年5月11日(水)

第三期1回目の教養講座は、広島大学副学長 佐藤利行先生による「中国文学」でした。広島大学長 越智光夫先生、副学長 佐藤利行先生共著の「知っておきたい中国故事 胡蝶は夢なのか」を題材に講義されました。現在、世界は新型コロナ、ウクライナ紛争など大きな問題が次々と発生し先が見えません。このようなとき、私たちは何を指針にして進めばよいのでしょうか。中国故事には、たくさんのヒントがあり、それを手掛かりに自分で考えることの大切さを教えていただきました。なお、越智光夫・佐藤利行共著「知っておきたい中国故事 胡蝶は夢なのか」は、第三期1回目の記念として、みなさんに進呈されました。
佐藤利行先生 佐藤利行先生

 

第三期入学式 2022年5月11日(水)

第三期入学式が行われ、広島大学副学長 佐藤利行先生、広島大学名誉教授 渡部和彦先生(牟田泰三学院長代理)から祝辞をいただきました。牟田学院長の一日も早い回復と復帰をみなさん願っておられました。
第3期入学式 佐藤先生 第3期入学式 渡部先生 第3期入学式

 

ボーリング、ミニテニス、川柳、各同好会の紹介がありました。
同好会 同好会 同好会 

 

 

第三期学院生募集中 2022年5月11日(水)スタート

第3期募集チラシ 第3期募集チラシ

 

広島リカレント学院 第二期終業式 2022年4月13日(水)

広島リカレント学院 第二期終業式が行われました。牟田泰三学院長の式辞です。
「皆さん、本日をもって、本学院二期目の授業が全て終了します。まことにお目出度うございます。このように授業を完結できたのも、学院生の皆さんの勉学意欲と熱意に支えられ、先生方の優れたご指導があったからに他なりません。この二期目の授業も、一期目と同じように、新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、度重なる休講措置を余儀なくされました。しかしながら、慎重かつ十分な対応措置をとることによって、四十回の授業を完了することが出来ました。このような厳しい環境のもとで、対面授業を続け、一人の感染者も出さず授業を全うすることが出来たのは、学院生の皆さんをはじめ全ての関係者のご尽力によるものです。有り難うございました。二期目の授業が学院生の皆さんの勉学意欲をさらに深め、幅広い教養を形作ってくれたものと確信します。来る5月11日から始まる三期目の授業でも、目を輝かせて授業と取り組む学院生の皆さんと共に学ぶことが出来ることを期待しております。」
牟田学院長は、ご都合により欠席で、広島大学名誉教授 渡辺和彦先生が代読されました。式辞に続き、牟田学院長からのビデオメッセージ、広島大学理事・副学長 文学博士 佐藤利行先生の祝辞、16名の学生さんに皆勤賞が贈られました。三期目は、5月11日(水)から始まります。
終業式2022終業式2022終業式2022
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広島リカレント学院(第二期)38回目 2022年4月13日(水)

教養講座は、漆芸家 七代金城一国斎先生による「尾張から広島へ 漆芸家 金城一国斎の系譜と作品」でした。わが国の漆の技法には、漆絵、蒔絵、彫漆、高盛絵など、他国にない多様な装飾技法があり、その源流は正倉院宝物にあるそうです。七代金城一国斎先生は、広島で発展した高盛絵の技法を受け継がれています。高盛絵について、先生は次のように語られています。
「高盛絵は近代漆工史の中でひときわ輝く個性美を放ち続ける独特の漆芸技法です。 花や果実に誘われる蜂や蝶、それを狙うカマキリを生き生きと立体的に表現するなど独特の世界を創り上げ、19世紀末にヨーロッパで流行したアールヌーボーにも影響を与えました。広島で発展したこの技法は、歴代金城一国斎が一子相伝で受け継いで来ました。漆芸家 金城一国斎は、江戸時代後期に尾張徳川藩の小納戸御用塗師であり時代蒔絵を得意とした初代一国斎を祖とし、尾張藩を出奔し独自の漆芸を追い求め高盛絵を創案した二代一国斎、明治に入り内国勧業博覧会などに出品・受賞し漆芸技法として高盛絵を確立した三代一国斎、大正・昭和に茶道・俳句など風流人として高盛絵に色を添えた四代一国斎、帝展審査委員の赤塚自得の門をたたき蒔絵を修得し細密な高盛絵を創り上げた五代一国斎、 五代の右腕として創作を助け現在へ伝えた六代一国斎、そして彫漆や切金を加え新たな高盛絵を創造する七代一国斎に受け継がれています。」
先生は、現在、広島県指定無形文化財「一国斎高盛絵」技術保持者として、高盛絵の技術保持とその発展に尽力されています。広島にこのような素晴らしい伝統文化が残っていることを大変うれしく思うとともに、ますますのご活躍を期待したいと思います。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
金城先生 金城先生

 

広島リカレント学院(第二期) 37回目 2022年4月6日(水)

教養講座は、広島大学(前)准教授・客員教授 白浜 博幸先生による「SDGsの時代にかかせないバイオプラスチックの開発について」という講義でした。講義のポイントは、「現在は環境を意識した商品でないと企業も生き残っていけない時代である。本講座では地球環境に優しいバイオプラスチックの意義やその利活用について言及したい。」ということでした。
先生のご専門は、界面化学・高分子化学(バイオプラスチック)で、最近、耳にすることが多いSDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)と深いかかわりがあります。SDGsは、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために揚げた17の目標です。各目標 に対して全部で169のターゲットが設定されていて、その一つにペットボトル、発泡スチロール、ビニール袋などのプラスチック問題があります。海洋等に投棄されたプラスチックがマイクロプラスチックになり、それを海洋生物が体内に取り込み被害を受けています。今、その被害が人に及ぶことが懸念されています。その解決策としての新しいプラスチック:グリーンプラ(生分解性プラ)の開発について教えていただきました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
白浜先生 白浜先生

 

広島リカレント学院(第二期) 36回目 2022年3月30日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授 原野 昇先生による「フランスの少数話者言語―多言語国家フランス」という講義でした。先生から届いた講義概要です。
「フランスではフランス語が話されていると思われていますが、実はフランス語以外の言語を話す人もいるのです。主なものは、オック語、フラマン語、アルザス語、カタルーニャ語、コルシカ語、バスク語、ブルトン語の7つの言語です。フランスは多言語国家なのです。これらの言語は、話す(母語とする)人の数が相対的に少ないので、少数話者言語と呼ばれます。これらの言語を話す人にとっては、フランス語は後から学習して習得した第2の言語なのです。母語と母国語(フランス語)の2言語併用者(バイリンガル)なのです。ここで、国家、国民、国籍、国境、ということが問題になってきます。四方を海で囲まれている日本と異なり、陸続きで国境を接している国々にあっては、言語集団の地域(境)と国境とが一致していないことが非常に多いのです。」
原野先生のお話を聞き、平和を実現するためには、複雑に絡み合った言語、民族、国境、歴史などをときほぐし、みんなが納得し許容できる解決にむけての地道な努力しかないと思いました。その日を心から願います。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
原野先生 原野先生

 

広島リカレント学院(第二期) 35回目 2022年3月23日(水)

教養講座は、広島リカレント学院長(広島大学元学長)牟田泰三先生による「浦島太郎の本当の話」という講義でした。牟田先生から要旨が届きましたので紹介します。
「浦島太郎物語には、太郎が竜宮城から帰ってみると、すでに数百年前に知っている人々はいなくなっていたという不思議な記述があります。2021年8月18日に行った教養講座講義では、この謎は相対性理論で完全に説明できるという話をしました。
確かに、この説明は科学的に明快だけど、ちょっと味気ない気もします。そこで今日は、浦島太郎のそもそもの話を調べてみることにします。
現在残っている文献を調べてみると、浦島太郎の事件は、太古の時代に本当に起こったことだとして記述されています。実際、西暦700年代に残された丹後国風土記(原本はないけどそれを写したノートがあります)に最初の浦島に関する記述があり、西暦720年に残された日本書紀には、浦島の話を西暦478年の事件として記述されています。また、西暦759ー780年に制作された万葉集巻九には高橋虫麻呂作の長歌(歌番号1740)として掲載されており、その他、日本各地に説話として残っています。鎌倉末期から江戸時代には、御伽草子、即ち絵本、として流布され、西暦1900年には浦島太郎童謡(文部省唱歌)も作られました。
浦島太郎の事件は何と約1500年も前に実際起こっているのです。これらの文献を読んで気がつくのは、常世の国(とこよのくに)という言葉です。常世の国とは、古代日本で信仰された、海の彼方にあるとされる異世界のことです。常世の国は永久不変であり、不老不死の世界であり、日本神話の基本となる概念です。浦島太郎は、竜宮城という常世の国に行っていたのです。だから歳を取らなかったのです。」

浦島太郎のお話をとおして、相対性理論という物理学の基本と日本書紀の基本の考え方を教えてもらいました。世界が少し広がったような気がします。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
牟田先生 牟田先生

 

広島リカレント学院(第二期) 35回目 2022年3月16日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授 谷本谷本能文先生による「ひかりと私たち」という講義でした。
先生から届いたメッセージを紹介します。
「私たちは、太陽からの光の恵みの下で生きている。本講義では、光とは何か、私たちの生活とどのように関係しているのかについて理解を深めたい。
光は、進行方向に垂直方向に振動する電場と磁場の波“電磁波”である。電磁波は、真空中を1秒間に30万km進む(光速30万km/s)。同時に、電磁波は粒子としての性質を併せもっている。波としての性質は、波の一周期の長さ(波長)と1秒間に振動する回数(振動数)で定義され、1個の光の粒子(光子)持つエネルギーは振動数とある関係を持っている。波としての光は屈折や回折などの現象を示し、例えば、情報の通信手段として使われている。また粒子としての光は、色々な物質に吸収され、その物質はエネルギーのリッチな状態になり、その状態から熱に変わったり、光(蛍光)を発したり、化学反応を起こしたりする。『虹はどうしてできるの?』『ラジオのAM放送とFM放送の違いは?』『光通信はなぜ大容量の情報が送れるの?』などなどの日頃の疑問を解決しましょう。」

光が波と粒子というの二つの性質を持っていること、それがわれわれの暮らしにどのように利用されているかなどを分かりやすく話していただきました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
谷本先生 谷本先生

 

広島リカレント学院(第二期) 34回目 2022年3月9日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授 渡部和彦先生による「平和都市広島・長崎とオリンピック ー訪ね歩き体感したい平和−」という講義でした。
先生から届いたメッセージを紹介します。
この講義は、ロシア(プーチン政権)が隣国ウクライナへの侵攻の最中で行われた。
北京オリンピックに続いて開催された、パラリンピックだが、いずれも、国連が求める「休戦」を無視してウクライナに侵攻した。しかも、軍事施設だけでなく病院を含む民間施設も砲撃し、子供たちを含め多数の民間人の犠牲。許しがたい暴挙は、原発への攻撃である。ウクライナ軍の予想を超えた抵抗に阻まれたロシア軍は、その焦りからか「核」の使用を公言するに至った。「被爆者を出すな」の切実な声が、広島県内からも発せられています。古代ギリシャでは神々(オリンポス)に捧げる祭典として、スポーツ大会が4年ごとに開かれ、その期間は、一切の戦争は中止された。近代オリンピックの創設者、クーベルタン男爵(仏)は、その理念に共感し、世界各国から集う青年たちの「交流と友情」に、国際平和に貢献できる「教育的価値」を確信し、その思想は世界中に広まり、今日に至っています。
さて、「2020・広島オリンピック」招致の市民活動をご存じですか。推進派市民の皆さんは、長崎市との共催で実現させ、被爆の実態を世界伝える絶好の機会と捉えました。リカレント学院「健康づくりウオーキング」講座では、被爆の小学校や、延焼を防ぐ集団作業中に被爆し。犠牲となった、多数の生徒、女学生の名前が刻まれた碑など、各地を訪ね歩きました。それぞれの場所で感じたことは、「体感すること」の意義でした。前述の「広島・長崎」の名を冠したオリンピック招致の課題@:複数の市の名称はダメとのIOC規約が壁?規約は、変わり(次期イタリア冬季大会は、2市共催で開催)。課題A:開催都市の政負担問題。スポーツ基本法は、オリンピック等重要な国際大会は、国の積極的財政支援が規定(平成23年)。核攻撃を平気で口にする指導者の出現は、脅威です。世界に向けた、「平和教育」の重要性とその持続的な方法(戦略)は何でしょう。

先生のお話をとおして、平和の大切さ、そして平和を守り育てるための持続的な平和教育の重要性をあらため心に刻みました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
渡部先生 渡部先生

 

広島リカレント学院(第二期) 33回目 2022年3月2日(水)

教養講座は、広島大学名誉教授 田中久男先生による「南北戦争記念碑はなぜもめるのか?」という講義でした。
先生から届いたメッセージを紹介します。
「私の授業のトピックは、アメリカ社会で最近とみに熱を帯びてきている話題である。その起爆剤となったのが、2020年5月にミネアポリスで、白人警官の暴力によって黒人のジョージ・フロイドが殺された悲劇である。そこでまず、そうした人種差別が合衆国においては根が深いことを、17世紀初めにヴァージニア植民地に導入された奴隷制度の歴史から掘り起こした。その奴隷制度を基盤に、南部諸州が綿花王国を築き上げていくにつれて、北部の自由と平等を重んじる価値観と折れ合いがつかなくなる。ついに1860年のリンカン大統領の登場によって、連邦から離脱して南部連合を形成した南部11州は、南北戦争(1861-1865)に突入してしまう。敗戦によって奴隷制度を廃止し、連合国家を解体された南部は、『失われた大義』という特異な理念を精神の砦として、奴隷制度に替わる人種差別をジムクロウ法やクー・クラックス・クランの蛮行で継続し、その一方で、南北戦争の英雄たちの記念像を建立し、南部連合旗を誇示して、公園や通りを白人優越主義という価値観を発信する場にしてきた。それが日常の当たり前の風景であるかのような、民衆の教化手段にしてしまっているのである。これが今日、南北戦争にまつわる記念碑を残すべきか、取り壊すべきか、博物館に収蔵すべきか等の問題として、激しい討論の対象となっているのだ。」
人種差別という古くて新しい問題は、世界中の国が抱えているといっても過言ではありません。とりわけアメリカにおいては、特異な様相を示して示しています。その背景、理由、及び現在の状況について、わかりやすく話していただきました。午後はそれぞれの専門講座の授業が行われました。(事務局)
田中先生 田中先生